終わってみればあっという間の8話。
しかも、極上の8話構成だったと言わねばなりません。
退屈だと思った3話めあたりまでも、
じつは最終話ラストシーンの効果を高めるため
必要不可欠な時間だったのだと実感。
もう一度見直してみなければなりません。
詳しいあらすじは書きませんがネタバレ感想にご注意ください。
マシュー・マコノヒー演じるラスト・コールと
ウッディ・ハレルソン演じるマーティ・ハートのケミストリーを
思う存分堪能できたこのドラマ。
ブードゥーとか、歪んだ宗教がらみの事件を扱う犯罪ドラマは
そんなに珍しくないけど、
たいていは45分のうちに発生→解決しちゃいますからね、
伏線らしいものもたいして仕込まれずに終わる。
その点このドラマには、
17年という長期にわたるたった一つの連続殺人事件のミステリーを
8時間かけて見届けられた満足感があります。
17年前に起きたドーラ・ラングの猟奇的殺人事件は
いったんは容疑者死亡という形で解決を見るのですが、
あるきっかけからコールは、これが重大な連続殺人事件だと気づきます。
2010年にルイジアナに戻ってきたコールは、
ドーラ事件もそれに類似したいくつかの事件も、
地元の一族が昔からひそかに行なっていた悪魔崇拝の儀式と関係があるらしいと推測。
バーテンダーをやりながら倉庫を借りて一人ひそかに捜査を続けていた。
ハートと喧嘩別れをする形で警察を辞めたコールは
レイクチャールズ事件の事情聴取に呼ばれたことがきっかけで
ハートと10年ぶりの再会をします。
最初はコールの事件への執着を胡散臭い目で見ていたハートも、
一本のビデオテープを見せられてからは、
もはやコールの妄想ではないと確信。
警察時代のコンビが復活したように
二人は息の合った捜査で連続殺人鬼を追いつめていくのですが――。
17年のあいだには、2人の刑事の人生にも紆余曲折がありました。
一時は互いに中指を立てあうほどぶつかり、絶縁状態にあったのに、
やがてはその中指のしぐさが2人の独特な挨拶がわりみたいになっていた。
だからこそ、おぞましい猟奇的事件をあつかったドラマにもかかわらず
驚くほど後味のいい終わり方。
これまでハートは、コールのエキセントリックな言動を、
終始苦虫をかみつぶしたような顔でながめてたけど、
ラストシーンでは、なんともいえず穏やかな顔でコールを見つめてました。
コールも長年ずっとかかえてきた闇に光が満ちたようで良かった
ラストシーンの2人の表情を見ただけで、
今後もいい関係が続くんだろうなと幸せな気分になれました。
それだけに、シーズン2が全く違うキャストで撮られるっていうのは
残念な気もするけど……
あと、追記しておくと、
このドラマ映像がすごくきれいでした。
監督はフィルム・ノワールを意識したというけど、
暗い画面のなかにあっても、ちゃんと見せたい光や色があり
暗闇で何が起きてるかわからないという画面じゃない。
こうしたシルエットもきれいだし、
マコ様がちゃんと背中で演技してる(笑)
これまた早くDVD化をお願いしたいドラマ。
そして、もし私のように最初の2、3話、「疲れるな~」と感じたとしても
けっしてあきらめないで最後まで見ていただきたいです。
きっとカタルシスを味わえるはず(笑)
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