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Channel: Saphiraの海外ドラマ中毒
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ハンニバルS1視聴終了

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ちまたで評判のハンニバル、ずっと見たいと思ってました。
 かつてFBI特別捜査官だったウィル・グレアムは、自閉症スペクトラムの一環として、あらゆる犯人に共感し、その動機や犯行当時の感情を再現できる「純粋な共感」という能力を持っていた。しかし、この能力はウィル本人の精神に多大なるストレスをもたらすものであった。そのことから、ウィルは捜査官としての立場を辞し、FBIアカデミーの講師として日々を送っていた。
ある時、ミネソタ州に於いて、若い女性ばかりを狙う連続殺人事件が発生する。事件を調査するFBI行動分析課の長ジャック・クロフォードは、このウィルの特殊な能力に着目し、事件解決に向けて彼の特殊な能力を利用することにする。ウィルの友人であり、彼の精神状態を危惧するFBI顧問のアラナ・ブルームはこの起用に反対する。これを受け、ジャックは彼を高名な精神科医ハンニバル・レクターに紹介することになるのだが……。                                            
                                         【ウィキペディアより】

ところが見始めると、これがもうツラいんです。

何がつらいって、
芸術的ともいえる死体や内臓を見せられることでも、
それを食していると仄めかす晩餐シーンでもない。
私がツラかったのは、
ヒュー・ダンシー演じる犯罪プロファイラーのウィルの心の闇。

悪夢にうなされて、あぶら汗をかいて憔悴しきって目が覚める。

 
そんなシーンが一度や二度ならまだしも毎回なんで、
こっちもどんどん精神的に疲れちゃって……。
思えば、ヒュー・ダンシーの奥さん、クレア・デインズもHomelandでは
双極性障がいの役で、精神的に壊れていくシーンが多かった。
「早く立ち直ってくれ~!」と心で祈ってた私。
人が精神を病んでいく話が苦手なのかも
……話がそれました。

毎度毎度、このエピでやめようと思うのに、
なぜかついついヤミツキになっちゃって。。。
いつしかガッツり引き込まれ、最後まで見てしまいました。

とはいえ、ハンニバルといえばずーっと昔にみた「羊たちの沈黙」しか
知らない私。他にもいろいろ映画があったので、このドラマの位置づけに
戸惑いました。
基本的なことからおさらいすると、
このドラマ「ハンニバル」は時系列で言うとハンニバル・シリーズの二番目なんですね。


■映画「ハンニバル・ライジング」■
名門貴族の息子として生まれるが、戦乱で家族を失う。妹を殺した兵士たちへの復讐を果たすため、レクターは残忍な殺人を重ねる。           2007年公開 レクター(ギャスパー・ウリエル)『ハンニバル・ライジング』

                          
                          ↓  

■ドラマ「ハンニバル」■

精神科医としての分析力を買われ、FBIの捜査に協力。ウィルの精神鑑定も頼まれたレクターは、殺人鬼の本性を隠して彼の内面に迫る。  2013年放映 レクター(マッツ・ミケルセン)グレアム(ヒュー・ダンシー)  

                           ↓

■映画「レッド・ドラゴン」■
ウィルが殺人鬼レクターの本性を見抜き逮捕。囚われの身になったレクターは、獄中から別の殺人鬼“レッド・ドラゴン”を操りウィルを追い詰める。   2002年公開レクター(アンソニーホプキンス)グレアム(エドワード・ノートン)

                            ↓

■映画「羊たちの沈黙」■
精神病院で無期懲役刑に服すレクターは、FBI研修生クラリスに連続猟奇事件の犯人像のヒントを与える。同時に彼女の心の闇も暴く。  1990年公開 レクター(アンソニー・ホプキンス)クラリス(ジョディ・フォスター)

                            ↓  

■映画「ハンニバル」■
レクターは脱獄しフィレンツェに潜伏。そんな中、かつてレクターに血祭りにされた大富豪が復讐のためクラリスを利用して彼を狙う。    2001年公開 レクター(アンソニー・ホプキンス)クラリス(ジュリアン・ムーア)
                                     【参考:スタチャン公式サイト】

というわけで、
ドラマはまだハンニバル・レクターが猟奇殺人鬼だと世に知られる前、
精神科医として開業していたころのお話。
マッツさんがやたら太いネクタイなんぞ絞めてるし、
そこに流れる空気はレトロっぽいのですが、
ふつうにスマホなんか出てくるので、ドラマは現代みたい。
そのへんの整合性はあまり追及しないことに……。


ウィル・グレアムの精神面をサポートするため
分析医としてFBIに協力を求められたハンニバルですが、
ウィルのために親身になっているようにふるまいながら、
そのじつは、カウンセリングをしながら巧みに彼を利用し、誘導し、
その裏で自分は連続殺人を重ね、
人肉で料理をふるまうという異常行為を続けている。

レクターの異常性をすべての視聴者が知った上で見るドラマ。
だから、この事件もレクターの仕業なのか?それとも別の犯人がいるのか?
と、レクターの犯罪をマイナスしていくのが推理といえば推理なのかな。
レクターは、MRI検査でウィルが脳炎を発症しているとわかったにもかかわらず、
それを隠し、精神的に病んでいると本人に思わせます。
もともと、殺人犯に共感してしまうという危うい能力のあるウィルは
自分が猟奇殺人を犯したのではないかと思うまでに
どんどん追いつめられていくのです。

とくに圧巻だった最後の数話は、精神的にどん底に落ちていくウィルと
そのウィルを殺人鬼に仕立てていくレクター。
やがて子犬の涙目のウィルがついに正気に戻り、
信頼していたレクターの狂気に気づき、それを暴こうとする
緊迫の展開。

でも、FBIがバカのままで終わりました。

おまけにレクターのカウンセリングをしてるスカリー……
じゃなくてジリアン・アンダーソン演じる精神科医が、
とてつもなくウザくって。
チョー上から目線で気取ってカウンセリング。
レクターのこと何もかも知ってるみたいな顔して、
じつは何一つわかってない。

ま、それはさておき
シーズン1を見届けてしまった以上、
次を観ずにはいられない気持ちになってしまいました。

エグイ、グロい、嫌悪感、だけで見られなくなってしまう人は
多いと思います、このドラマ。
もちろん、それもわかる!
それでも見続けていくと、惹き込まれちゃうんですよね~。

まずは美にこだわった画面作りでしょうか。
不謹慎だとわかってるけど、殺人現場がある意味、芸術なんです。
PG12も納得。

次に何と言っても、マッツ版レクターの魅力ですね。
猟奇殺人鬼といえば、不敵に笑うぶきみな顔が定番。

 

ところがマッツ・レクターは口の端にうすい笑みを浮かべる程度の「上品さ。
 
   
 

悪役特有のいやらしさがないんですよね~この人。
ほんとに殺人犯なのかな?と疑ってしまうほど。

怖いんだけど、唾棄すべき殺人犯とは言い切れない
何かしらの魅力が……



なんなんでしょうね。

倫理観を超越したドラマなんですね。

現実社会では、本当におぞましい犯罪が起きているのに、
こういうドラマを見て面白いと思ってしまう自分がどうなのかなと思う反面、
こういう創造世界と現実世界とをちゃんと区別できることが
正常な人間であるのかなと自分を納得させたりして。

ま、そういうドラマでした。 


ともあれ、
マッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーという俳優を知れたのは
収穫でした。
これを機会に、彼らの違う役柄の映画、ドラマ、見てみたいと思いました 







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