ネタバレご注意です。
2009年に英国BBCで放送されたサバイバル・ミステリー。
1975年に人気を博した「Survivor」のリメイク版だそうです。
謎のウイルスで人口の99%が死亡してしまった世界と、
生き残った1%の者たちの運命を描く。
主人公の平凡な主婦アビーをはじめ、
システム・アナリストで過去に背負った傷を隠すグレッグ、
若い女医のアニャ、リッチでプレイボーイのアル、
アルに拾われたイスラム教徒の少年ナジド、
凶悪犯罪者として投獄されていた危険なプライスは
免疫を持つ1%として生き残り、
電気水道もなく機能が完全に停止した世界で
サバイバル生活を共にすることになる。
社会も警察も法も秩序もない新世界に生き残った生存者たちが、
他の生存者との危険な生存戦争を繰り広げる。
そして、このウイルス蔓延の裏には隠されたある陰謀が……。
なかなか面白かったです。
1、2シーズンあわせて12話だけど、一話ごとの尺が長いので
もっと長編を見たような満腹感があった。
黙示録的なテーマは「ウォーキングデッド」と同じ。
あちらはゾンビに咬まれて感染するウィルス(?)でしたが、
これは免疫機能が停止してしまう伝染病。
発症したらあっというまに死に至る恐ろしいウィルスです。
文明が崩壊し、無法地帯となった世界で
生き残った者たちそれぞれが少数のグループとなり
物資や住処をめぐって争うストーリーはウォーキング~と似ています。
生き残るためには武装して暴力で対抗するしかない、と言う者、
どんな状況であろうと、野獣にはなりたくない、という者、
それぞれの道徳観がぶつかりあう。
ゾンビの蔓延を止めるすべが全く見えないウォーキング~と違い、
このドラマにはウィルスの蔓延を予測していた組織があって、
無菌隔離された施設でひそかにワクチンの研究をしているんです。
そして事前に孤島かどこかへ避難して、ワクチンの開発を待っている人々がいるらしい。
人類の後世のために有益な人材を選んで避難させる
ノアの方舟的発想ですね。怖いわ~、凡人は不要ですって。
そして、政府の人間でただ一人生き残った女性大臣は、
そのカリスマ性を発揮して生存者たちを束ね、
大きな集団の統率者として君臨するようになる。
人格者かと思いきや、結局は迷走してウォーキング~のガバナーのように……。
さて登場人物は、というと
主人公のアビーは「ハ?こんなふつうのオバサンが主人公でいいの?」
と思うようなパっとしない(ごめんなさい)女優さんなんですが、
彼女の母親的愛情が、出会った仲間のなかで信頼と共感を得て、
なくてはならない存在となっていきます。
息子ピーターが生きていることを信じ、
生き抜いてピーターを見つけることと、仲間たちを守ること
その二つの信念だけは絶対にブレない。
母は強し、です。
シーズン2で打ち切りになっているので
描き切れていない惜しいところはあるけれど、
見始めるとやめられなくて、12話いっきに見てしまいました。
続き物の常で、ラストは次シーズンへ続く的な終わり方は
しているけど、ウィルスの謎については一応スッキリさせてくれます。
エボラとかデング熱とか、そういうニュースがあっただけに
ちょうどタイムリーに恐ろしいドラマでした。
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「生存者たち」視聴終了
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